ENOを改良して,重み付き平均をとることで5次精度を実現したのがWENOである. 3次精度のENOではについて, の6つの内,4つの値を用いて補間を行う. そして,その組み合わせは3パターン (とと)である. 実際に展開してみと以下となる(では,k=i-1). 1+2+4, 1+2+5, 1+3+6, 1+3+7の4パターンになるが, 以下に示すように1+2+5と1+3+6が同じなので,組み合わせは3パターンになる. それぞれさらに展開してφiの式にする. 差分をと表記すると上記3パターンは, ENO近似は結局この3つのパターンに集約される. これらの内どれかが状況に応じて用いられる. WENO(Weighted ENO)はその名の通り,これら3つの凸結合 *1 でを近似する *2. つまり, ここで,. 問題となるのはの選択である. 関数が滑らかならば,で5次精度が得られる *3. ただし,矩形波のように滑らかでない関数だととたんに不安定になる. *4では滑らかでない関数でも安定な重みの計算法を提案している.その方法を以下に示す. の滑らかさ(smoothness)を以下のように定義する. 先ほどの重みの組み合わせ()をsmoothnessの2乗で割ることで重みを得る. ここで, はゼロ割を防ぐための項である. はが符号付距離場であることが前提で設定されている. つまり,がほぼ1であり,の場合である. 最終的にを満たすために,正規化を行う. これらから, によりを更新することで5次精度の結果が得られる. |