ルンゲクッタ法などの解法は1次元,一定幅グリッドではTV安定であるが, 多次元,可変幅グリッドではどうか?という問題がある. これに対して,TVDを満たすルンゲクッタがTVD RK¬e{Shu1988:C.-W. Shu and S. Osher, "Efficient implementation of essentially non-oscillatory shock capturing schemes", J. Comput. Phys. 77, pp.439-471, 1988.};である(TVDについては下参照). 移流方程式の時間微分以外の項をとして,一般的なRKは, ここで,である. 上付のはRKのステップごとの中間値を示している. これに対して,TVD RKは以下である. ここで, TVD RK2†2次精度のTVD RKはRKにおける修正オイラー法(RK2)に対応する. で, ?から, ?から, ここで,通常のRKのを用い, さらに,とすると, よって, TVD RK2ではとについての2回の前進オイラー法の組み合わせで成り立っている. この事実を使った実装を以下に示す.
TVD RK3†で, ?から, ?から, ここで,通常のRKのを用い, とすると, よって, TVD RK3では3回の前進オイラー法の組み合わせ(ととについて)で成り立っている. TVD RK2と同様に,この事実を使った実装を以下に示す.
TVD RK4†で, 各係数の導出は長くなりそうなので省略(¬e{Shu1988};参照}. TVD,TVB†TVD(Total-Variation Diminishing)¬e{Harten1983:A. Harten, "High resolution schemes for hyperbolic conservation laws", J. Comput. Phys. 49, pp.357-393, 1983.};は非線形方程式の収束条件のひとつである. nステップ目でのTV(Total-Variation : 全変動)は以下のように定義される. これを離散化すると, となる.そして, を満たすとき,TV安定であるといい,その数値計算手法はTVDと呼ばれる. また, を満たすとき,TVB(Total-Variation Bounded)であるという. ここではのみに依存する定数である. |