高次多項式を用いた補間法では補間式を得るためにより多くのグリッドを必要とする.例えば,ENO,WENOだと自身も含めて6グリッド(ENOで実際に用いられるのは4グリッド)の値が必要.風上差分だと2グリッドであったことを考えると3倍になっている.これは当然のことで,高次多項式の係数を得るためには多くの関数値を必要とするからである.このように用いるグリッドが増えると,特に境界付近での処理が難しくなってくる.これに対して,風上差分と同様に2グリッドのみを用いつつ,勾配値を利用することで急激に変化する関数でも対応したのがCIP法(Constrained Interpolation Profile scheme)((H. Takewaki and T. Yabe, "The cubic-interpolated pseudo particle (CIP) method: application to nonlinear and multi-dimensional hyperbolic equations", J. Comput. Phys. 70, pp.355-372, 1987.))((T. Yabe and E. Takei, "A New Higher-Order Godunov Method for General Hyerbolic Equations", Journal of the Physical Society of Japan, 57, pp.2598-2601, 1988.))((T. Yabe, T. Ishikawa, Y. Kadota and F. Ikeda, "A Multidimensional Cubic-Interpolated Pseudoparticle (CIP) Method without Time Splitting Technique for Hyperbolic Equations", Journal of The Physical Society of Japan, 59, pp.2301-2304, 1990.))である((提案された当初はCubic Interpolated Pseudo-particle Schemeの略だったが,その後さまざまな改良手法が提案され,3次(Cubic)多項式以外も用いるようになったので,Constrained Interpolation Profile schemeに変更された.)). CIP法の基本的なアイデアは,移流式をxで微分したとき,その導関数&ref(eqa_cip1.gif,nolink,70%);もまた,&ref(eqa_phi_x.gif,nolink,70%);と同様に移流するということである(ただし,&ref(eqa_cip2.gif,nolink,70%);とする).2メッシュ[i, i+1]間のプロファイルは,以下の3次補間関数で表される. #ref(eqa_cip3.gif,80%) #ref(eqa_cip3.gif,nolink,80%) グリッド上の4拘束条件&ref(eqa_cip4.gif,nolink,70%);から, #ref(eqa_cip5.gif,nolink,80%) この手法は非常に簡単に見えるが,その効果は非常に良好である.特に矩形波のように急激に変化する特徴を持つ関数を移流させた場合でも,その形状を維持したまま移流させることができる.